
v6プラスとは
「v6プラス」は IPv6・IPoEによる高速通信技術です
私たちが日々利用しているインターネットは、国際的に定められたルールである「インターネットプロトコル(IP)」に従って動いています。
その中でも、現在は主にバージョン4(v4)のルールをもとに通信するネットワークが主流なのですが、この方式だと繋がっていられるコンピュータの総数の限界が近く、それを回避するために余分な工夫が増えていってしまいます。
その問題を解決するため、20世紀の終わり頃に開発され近年広まってきているのが、「IPバージョン6(v6)」です。
●IPv4とIPv6
インターネットで情報をやり取りするためには、「IPアドレス」が必要です。
このアドレスを、IPv4では「0~255のいずれかの数」を4つ並べて表していました。
しかし、256の4乗=約43億個のアドレスでは足りなくなってきてしまったため、新しく作られたIPv6では「0~65535のいずれかの数」を8個並べて表すことにしました。
そのアドレス総数は約340澗個で、これは「100億人がそれぞれ1兆台のコンピュータを持ち、それぞれのコンピュータに3400兆個ずつアドレスを割り振れる」ほどの膨大な数です。
IPv6の登場によって、実質的にIPアドレスは無限になったと言えます。
また、従来利用されてきた「PPPoE方式」という接続方式では、最初にインターネットプロバイダのコンピュータを経由するため、込み合う時間帯には輻輳(ネットワーク上の渋滞)が起こりやすくなっています。
そのため、プロバイダを経由せず回線認証でインターネットに接続できる「IPoE方式」が注目されるようになってきました。
●PPPoE方式とIPoE方式
インターネットに接続する際に必要なIPアドレスは、インターネットプロバイダがユーザに対して発行することになっています。
PPPoE方式では、プロバイダ内にある専用サーバにアクセスしてIDとパスワードで認証し、IPアドレスを割り振っていました。
これに対してIPoE方式の場合、NTTが回線ごとに振ったCAF番号とアクセスキーを利用して認証するため、プロバイダのサーバを経由する必要がありません。
ちなみに、IPoE方式を利用できるのはIPv6のみとなっています。
IPv6とIPoE。
v6プラスは、この二つの新しい技術を利用して、高速インターネット通信を実現しています。
IPv4の通信もIPv6化して運ぶ!
IPv4方式で情報のやり取りをするコンピュータと、IPv6方式のコンピュータは、通信ルールが基本的な部分から違うため、通常はお互いに情報をやり取りすることができません。
そのため、新しいIPv6方式が開発されて数十年が経過した現在でも、まだIPv4方式が主流となっているのですが、v6プラスでは「IPv4 over IPv6」という手法でこの問題を解決しています。
●「IPv4 over IPv6」とは
IPv4方式の情報にIPv6の殻を被せる(カプセル化といいます)ことで、途中までIPv6方式で通信できるようにする手法のことです。
今までは旧式の通信方法をとっていたIPv4の情報も、IPv6と同じ方式でやり取りできるようになるため、一つのサービスで全ての通信を高速化できるのです。